広い視野と北欧家具

専門学生時代にある北欧家具を作るという課題が出されまして、どのようなデザインにするのか、塗装はするのか、それとも木目を活かしたデザインとするのか、手加工で作り上げていく過程はどうするかなど、色々と考えて自分でも自信作の北欧家具を作ることが出来まして、その家具をみんなの前でプレゼンする時の話なのですが、教会などの入り口などに置くのも良いと思うし、滑らかでしなやかなデザインも気に入っていたのですが、多国籍の学生からの質問された内容に、自分でも気付けなかったことを知ることが出来たわけですが、一般的には「どうして、そのようなデザインになったのか」などを質問してくると思うのですが、彼らは何故教会の入り口に置くのか、また私がイメージしている教会の床は石でできているのか、それとも木でできているのか、また製作した北欧家具を置きたいと思っている教会を買いて欲しいと言ってきたのです。

正直なところ、あっけにとられてしまい何となく答えましたが、明確な答えと言うのはなく、私は家具を作る時に北欧家具だけに目がいってしまい、どのような空間に似合うのかとか、どのような人に使ってもらいたいのかなど、考える事をせずに黙々と作り上げていったわけでして、そこまで考えが及ばなかった僕にとって、もっと広い視野で物づくりをする事が大切である事を、彼らは質問を通して教えてくれたように思います。

この段階では完成を発表する場ではなかったのですが、完璧なまでに作り上げたので、これ以上手の施しようがなく、もう一度はじめから作る事にし、神聖な教会に置く事が良いのではないかと言ってしまったので、どのような教会の雰囲気の場所に置くのが最適なのかを考えて、しなやか過ぎず、色々な表情を持った北欧家具を作る事にしました。

初めての手加工

懸命に作った北欧家具のアイデアを発表した後は、もう一度プロトタイプ製作を開始し、バランスや作業手順を考えるために施策を作り出し、私の作品は高さが1メートル以上もある大きな物になるので、材料となる木を貼り合わせて大きくする必要があり、機械を使えたらどれだけ楽だろうと考えながらも、手加工での製作することをして出されている課題でしたので、大まかに必要となる材料を準備した後は、全て手道具の身で加工することになり、記憶している中では、今までで一番大変な作業だったかもしれません。

しかし、それ以上に北欧家具の醍醐味でもある手加工を学べるという嬉しさの方が勝っており、難易度は非常に高かったですが、少しずつ形になっていくのが楽しかったです。

これが人生で初めての手加工での北欧家具製作でして、鉋や鋸や鑿で作り上げていくのは難しかったですが、ワクワクしている自分に気が付いた時は、面白かったですね。

本当にスウェーデンまで来て、言葉もまともに喋ることもできなかったのですが、北欧家具を通して気持ちは伝わっていましたし、快く留学を許してくれた両親に感謝ですし、応援してくれた友人たちにも感謝しなくてはなりませんが、まだ始まったばかりの職人道ですから、家族の為にも諦めることなく前進し続けていきます。